『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読みました

フォロワーさん複数名がおススメしており、気になって読みました。おススメしてくれてありがとう…という感謝しか出ません。今年読んだ本の中で一番面白かったのではなかろうか…?

ここ最近読んだディックの「高い城の男」「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」も続きが気になる…という本でしたが、この小説も負けず劣らず先が気になってしまうので一気に読めました。
各章が短めなので私の読書スタイルに合ってたのもあるかもしれない(キリのいいところまで読みたいので)。
2026年に映画化されるそうなので、公開されたら観に行きたいところ。もしこの読書感想文で興味を持ってくれた人がいたら…オーケイ、映画の予告編は一旦見るのをやめて、読み終わってから見てほしい。

 

最初の印象としては「宇宙版Raft」みたいなイメージでした。
主人公は自分の名前も思い出せない状態で見知らぬベッドの上で眠っていた…というところから物語がスタート。様々なきっかけで少しずつ記憶を取り戻しつつ、自分が何者なのか、なんでこの場所にいるのかというのを思い出しながら…といった感じが(ネタバレに配慮した)冒頭のストーリーとなっています。

物語が進むにつれて少しずつ世界の様子が分かっていく訳ですが、表紙と巻頭の図から宇宙モノのSFというのは把握できるはず。
でもSFって難しそうな用語が出てきて理解しにくくない?とか思われるかもしれませんが、本文の解説が見事なのですんなり入ってきます。
イメージとしては「面白い先生の楽しい理科の授業」の気分で読むことができ、仮説を立てて実験をして…とSFの「Science」の部分を大事にしつつ、読者にわかりやすく伝えてくれます。「アクシズが地球に落ちたらどうなんの?」が理解できた気がする(※本編にネオジオンの皆さんは登場しません)。

私はSFというジャンル、実はほとんど詳しく無いです。スターウォーズもまともに見たことないし、ETもAtari2600版しか知らない。パッと思い浮かぶのがこの辺しか出てこない程度には無知で、あとは…宇宙戦艦ヤマトってSFであってますよね?
そんな訳で普段SFを読まない人間でも新鮮な気持ちで、そして夢中になって読んでいました。

とにかく、「この先どうなるんだろう?」という展開が終始続き、上下巻に別れていながらほぼノンストップで読み切れました。断念した時のことを考えて一旦上巻だけ買ったんですが、3、4章読んだ辺りで下巻を買いに再び本屋へ…
ハードカバー2冊文というそこそこの文量ではありますが、終わってほしくないな…という気持ちで下巻を読んでいました。
読み終わってからちょこっとレビューとか見にいったりしましたが、後方腕組み彼氏面おじさんになりました。

ネタバレ抜きで語れるのはここまで。本当におススメしてくれてありがとうフォロワー…みんなも早く何も知らん状態で読んでね…ネタバレ無しで勧められると逆に警戒するオタクの気持ちもわかるんですが、書評として小島秀夫監督も絶賛してたから大丈夫です。
記憶を消してもう一回読みたいし、記憶がある状態で読み返しても面白いであろう、そんな作品でした。

で、あまりにも良かったでここから先はネタバレ有りで語りたくなった話(中身は隠しておきます)。そのくらいの熱量で楽しめたし、そのくらいの熱量が残ってしまったので…
映画公開後に自分で読み返してみたいけれど、これでユア・ストーリーとかがお出しされたらどうしよう。
もし既読者なら、あるいは映画公開後にここへ来ることがあったら、ぜひニヤニヤしながらお読みください。


 

 

「きみは本当にこの本を読んだ、質問?」

 

 

「よい、よい、よい!しあわせ!」

 

 

いや本当に面白かった。ここまで夢中になるとは思ってなかったし、控えめに言っても大絶賛してしまうな。

各章で様々な出来事が起きつつ記憶を取り戻しつつ実験を行なって…という構成でしたが、読者としてもグレースの視点に立って読むことができました。それはそうと後半の方は「グレース、変なフラグを立てようとするな」とハラハラしながら読んでました。
終盤のストラットの歴史学講座で「まずい海外作品だからかハッピーエンドの香りが急激に減ってきた」と嫌な予感がしながら読んでいたんですが、クライマックスは…。伏線の貼り方が上手という表現が正しいのかは分かりませんが、劇中の要素を上手く使っていて後味の良い綺麗な終わり方だったと思います。
私は…ハッピーエンド厨なので…

さて、バディのロッキー。
私の想像力では可愛く見積もってポケモンのカブトみたいな感じになるのかな…?とイメージしながら読んでましたが、どうだろう…?映画予告編にちらっと映ってましたが、あれはわざと不気味にしてそうな気もする。
それはそうと「賢く可愛い奴」だったのは間違いないですよね。頼りになる存在でありつつも感情豊かと、2人(2種族?)が協力していく後編は大体ニコニコしながら読んでました。ちょこちょこ出てくるフィストバンプがとても好き。
ただ、キセノナイト越しでしかフィストバンプ出来ないのもちょっと切ないよね…と思いつつ、これが良い味付けにもなっていたと思います。物理的に触れ合えずともバディものは成立するんだ…となりました。

異種族との交流、私の中ではガミラスかELSしか知らないので、ここまで平和な邂逅もあるんだな…ってなりました。ELSの皆さんももう少し科学レベルがあったら…と思わずにいられない。
科学者としてのグレース、エンジニアとしてのロッキーの邂逅というのは双方にとっての幸運だったと思います。そうじゃなきゃ話が進まないというのは一旦さておき。
「異星人と交流するためには?」というテーマ自体はよくあるのだと思いますが、お互いに一つひとつボキャブラリーを増やしていったり、相手種族の特性を理解していったり…というのは読んでいても説得力がありました。好奇心に勝るものはないよね。
高校時代の数学の先生が「本当は8進法の方が使い勝手がいいけど人間の指の数で10進法になっちゃった」みたいなことを言っていた記憶があるんですが、エリディアンもそんな感じだったんだろうか。

 

そして大事な要素、科学の部分。

工業系出身のくせに理数系は苦手でした。嫌いではなかったんですが、揚力が理解できない程度の頭脳でした。
読み終わってからちょこっとレビュー読んだりして気づいたんですが、劇中ではしっかりと仮説を立て、実験を行い、観察し…という科学の基礎を大切にしているから面白い、という意見をちょこちょこ見て「なるほどなぁ〜」ってなりました。
上巻は概ね中学高校で見たことあるなーという物理が多く、下巻は未知の生物タウメーバの解析のため、実験や観察を繰り返していく展開でした。相対性理論みたいな「分からん…俺たちは雰囲気で読んでいる…」みたいなところが無かった訳では無いですが、まぁヤマトのワープ航法もあんま深く気にせずとも「そういうもんか」で納得しても問題ないし。
分かりやすく読めるのはやはり仮説を立てたり実験と観察を行なって…というのが大きいと思います。読者の視点からもグレースの視点からも未知のことだらけな訳で、同じ視点から実験に参加するような感覚で読めるのが大きいと思います。

そんな訳で、「しあわせ、しあわせ、しあわせ!」に尽きる物語でした。
読みながら涙腺に来たのは初めての経験だったかもしれない。映像作品だと割とすぐ陥落するんだけど…
余韻に浸りつつ、終わってしまった喪失感も大きいです。映画でロッキーに会うのを楽しみにしましょう。

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