タイトルが面白そうだったのと、冒頭が面白かったので読んだ本。筆者もエンジニアの方で、実際に設計士として建築に携わっているようです(ザ・シャードというヨーロッパで一番高い建造物だとか)。
全7章で「釘」「車輪」「ばね」「磁石」「レンズ」「ひも」「ポンプ」の原理や応用例、発明までの道筋を解説してくれます。
例えば「釘」では製造法からハリケーンとスピットファイアの構造上の違い、発展系のネジやボルトとナットの組み合わせについてを解説していたり。
「ばね」では建築工学としての防音のための利用法について書いている一方、弓や拳銃の構造から弾性エネルギーの使い方などの力学的な部分も書いています。
他にもレンズの発展によって体外受精が可能になったり、精巧なポンプとしての心臓と、代替となる人工心臓の技術についても書かれていたり…と、章によっては人間の体についても説明してくれます。
そんな訳で一言に「釘」とか「ばね」と分類しても、構造の違いで様々な場所に応用されていることが分かります。「言われてみれば確かにな~」みたいなモノがたくさん出てくる。
また、歴史の解説もあるので発明した人の名前も出てくるのですが、磁石の章ではブラウン管や青色LEDで日本人が登場します。この辺りの分野、昔は強かったとは聞くよね。
逆にあまり歴史の本では語られなかったりする人物もいたりと、発明のタイミングや周囲の理解度で見向きもされなかったり…なんてことも出てきたりと、ものづくりの苦難が分かります。
といった感じで、工学系の話が好きな人には刺さる一冊でした。
釘の製法で一本のワイヤーからたくさんの釘が作られる…と言う部分で「Satisfactoryで見たやつだ!」って嬉しくなりました。あっちはネジだけど。題材となるものの性質が理解できてないとちょっと分かりにくい部分もありますが、ものづくりの歴史や進歩を読むには楽しい一冊です。
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