『謎の香りはパン屋から』を読みました

(どうでもいい前書き)

本棚を整理してたら、いわゆる「普通の小説」枠が外国文学ばかりなことに気づきました。
外国かぶれ…というよりは””思想””みたいなのを避けようとしている節があり、結果別の国の話だからと線引きできるので外国作品を選んでしまっていると思います。

そんな訳でで日本の作品も選んでみよう…ということで本屋へ行き、オススメされていたので購入。1巻の後味が良かったので2巻も続けて購入し、しっかりパン屋のパンが食べたくなったので久しぶりにパン屋さんに行ったりもしました。

 

 

 

物語の舞台はコロナ禍以降の現代日本、大阪。
親友に誘われてパン屋「ノスティモ」でアルバイトを始めた主人公の小春は、漫画家を目指す大学1年生。
生活のためにノスティモで働く中、お店で起こった出来事の謎を解いていく…というお話。
と言っても血なまぐさいものではなく、例えば最初の話は「2.5次元のライブビューイングを楽しみにしていたはずの親友が直前にドタキャンしてきたけど、何か理由があったのか?」というもの。
そういったノスティモのスタッフやお客さんと関わる中で起こる、日常の小さな出来事の謎を小春が解決していく物語です。
各話完結型なのでサクサク読むことができ、私の場合1話につき20~30分くらいで読めたので「今日はここまで読もう」と区切りながら読むことが出来ました。

私が過去に推理小説をちゃんと読んでいるわけでは無いので正しくないかもしれませんが、推理パート自体はあっさり目だと思います。
が、登場人物の過去や心模様などの描写が丁寧で、読み終えた後の感触がとても良いです。まさに後味の良い作品。
1巻5章の「思い出のカレーパン」は続く2巻を読む決め手になったと思いますし、ハッピーエンドが好きなので2巻2章の「祝福のデニッシュ」が好きです。
各話にパン作りパートやそのパンの歴史が明かされたりしますが、中には物語のキーになっていたりも良いですよね。パンが食べたくなるちょうどいい塩梅の題材になっています。

また、各話で登場したキャラクターが後の話にも登場してくるので、青春人間ドラマとしての部分も良い味。
小春自身は漫画家を目指しているものの当初は鳴かず飛ばずの状態ですが、物語が進む中で少しずつ成長していっているので応援できる主人公でした。
他の登場人物もレナ先輩や紗都美さんなど魅力溢れる人たちが多く、読んでいて好きになれます。オタクくんは総じて紗都美さんが好き(クソデカ主語)。

と言った感じで、温かくも爽やかなストーリーですごく良い作品でした。そんな成分を摂取したい人にオススメできます。
3巻が出るなら読みたいところですが、劇中の時間軸では続きがありそうな余白があったので期待しても良さそう。
というか作者さん自身が漫画家でもあるようなのですが、この作品も描いてもらえないだろうか…?

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