『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を読みました

久しぶりに小説を読みたくなって文庫本コーナーをウロウロしてたら目に止まった本。
タイトルは知ってるけど読んだことは無い、という人が多そうな気がする。私の中では裸になっちゃおうかな(なっちゃえ)が第一に来ます。
映画「ブレードランナー」がこの作品を元ネタとして製作されているようなのですが、こちらも未視聴(割と別作品らしい)。

舞台は核戦争から十数年、灰の降る地球は人が住める場所が減少し、人類は火星移住を行うようになった…という世界。また、火星移住者には人形のアンドロイドが提供される政策が取られている模様。アンドロイドは人間のように振る舞い、また見た目からは機械であることが分からない。ただし、アンドロイドが地球へ移住するのは違法で、処分対象とみなされています。
地球では生物の多くが絶滅の危機にあり、虫や小動物も貴重な存在。地球に残った人々には「本物の生き物を飼うこと」がステータスとなっています。ただ、貴重な存在なので小動物や虫でも簡単には手に入らない。なので、需要を満たすための「電気動物」が流通しています。こちらもアンドロイドのように本物のように振る舞い、食べ物を食べたり病気を患ったかのように振る舞うこともあります。
劇中ではアンドロイドと人間の識別には感情移入テストを行い、人間の反応なのか機械による反応なのかを検査します。アンドロイドは動物に感情移入が出来ず、組み込まれた反応をするだけ…とった感じ。

さて、主人公のリックは賞金稼ぎ(警察内の1部署で公的な職)で、地球へ違法に移住してくるアンドロイドを処分するのが仕事。既にアンドロイド狩りの経験は何度もある様子。また、リックの家庭では本物そっくりに作られた電気羊が飼われています。
ある日、火星から逃亡したアンドロイドを処分しようとしたリックの上司が返り討ちに遭い負傷。2人は処分既にしたものの、残る6人をリックが処分することに。
1人で6人を相手にするのはこの世界でも前代未聞のことですが、放置すれば逃亡されてしまう。リックはこの任務を受諾し、任務遂行の末には報酬で本物の動物を飼うことを決意しむす。
逃亡中のアンドロイドは最新型型のネクサス6型で、従来よりも精巧に人間のように振る舞う。これらのアンドロイドと対峙する中で、リックの心境はやがて―――

物語が進行しながら少しずつ世界観が明らかになりつつ、段々と物語が収束していくのでグイグイ読めました。
人間とアンドロイドや動物と模造動物といった対比のように、生命とは、人間とは何か…というのを考えさせられる話でした。
ここ数年AIが騒がれまくってるけど、これもまた読むにあたって良いスパイスになってるかもしれない。作中のように精巧な見た目ではなくインターネット上のbotだったりするけど…

決して明るい話ではないんだけど、小説読みたいな…という動機にはとても合ってた一冊でした。名作とされるのも頷けます。

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